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MECEって何?ロジカルシンキングの基本的な考え方とコツ
「MECEって聞いたことはあるけど、具体的にはどういったものなの?」
「MECEを使いこなすにはどうすればいいの?」
「ロジカルシンキングって難しそうだしピンとこない…」
ビジネスの場面でよく聞く「MECE」ですが、上記のような疑問をお持ちの方もいると思います。
MECEとは、ロジカルシンキングの基本といわれているもので、「モレなく、ダブりなく」物事を考えらえる概念のことです。うまくMECEを活用することで、客観的な視点で論理的に整理できるようになるとされています。
ただし、MECEの使い方を誤ると、
- 漏れや重複によって戦略が非効率なものになっている
- 考えていくうちに本質から外れた答えになってしまった
以上のようなケースが発生してしまいます。
ビジネスチャンスを逃したり、大事な経営リソースを無駄にしないためにも、正しいMECEの考え方を理解することが重要です。
今回は、MECEを1から学びたい方のために、次のような内容を解説します。
- MECEの基本と必要性
- MECEを活用するためのアプローチ方法と切り口
- 注意点
この記事を読むことで、MECEを活用するためのベースとなる知識を理解できるので、ぜひお目通しください。
MECEとは?
MECEとは、「Mutually exclusive, Collectively Exhaustive」の略語で、「互いに重複がなく、全体に漏れがない」という意味の用語です。「ミーシー」または「ミッシー」と読みます。
MECEの考え方を用いることで、客観的かつ総合的な視点から必要な物事を分類し、課題に対する適切な解決策を導き出すことができます。
漏れと重複をなくすことは、業務の効率化やリスクマネジメントにも繋がります。
ロジカルシンキングの基本となるMECEは、企業がビジネスパーソンに対して求める重要なスキルの一つなのです。
MECEはなぜ必要なのか?
MECEの概念が必要とされている理由は、次の2つにあります。
- 課題を細分化することでシンプルに考えられるようになる
- ロジカルシンキングを実現できる
どのような業界・職種であれ、ビジネスパーソンの仕事の基本は課題解決にあります。MECEをうまく活用することによって、課題に対して以下のようなアプローチが可能になるでしょう。
- 相手に対して、論理的で納得感のある解決策を提案できる
- 無駄のない考え方により、効率的に課題解決が行える
MECEの必要性を理解できたところで、ここからは、実際にMECEを行うための考え方を解説していきます。
MECEを行うための2つのアプローチ
MECEを行うためのアプローチには、次の2つがあります。
- トップダウンアプローチ
- ボトムアップアプローチ
これらのアプローチについて、それぞれ解説していきます。
トップダウンアプローチ
トップダウンアプローチとは、まずは全体像を把握した上で、課題や目的を一つ一つ要素分解していく方法です。全体像が事前に把握できていたり、分類の仕方が明確になっているケースに効果的です。
ボトムアップアプローチ
ボトムアップアプローチとは、先に要素をブレストして洗い出し、それらをグルーピングしていくことで全体像を明確にしていく方法です。トップダウンアプローチとは反対に、全体像が把握できていなかったり、分類の仕方が明確になっていないケースで効果的なアプローチです。
MECEに分解するための4つの切り口
前項でご紹介した2つのアプローチに加えて、MECEに分解していくための切り口として次の4つの分解方法を覚えましょう。
- 要素分解
- 時系列やステップによる分解
- 対象概念による分解
- 因数分解
要素分解
要素分解とは、分解した要素の合計が総和になるように、ある対象を構成している要素に一つずつ分解していく方法のことです。「足し算型」「積み上げ型」と言われる切り口です。
【例】
コンビニの売上向上を目的とする場合
→「食品の売上」「日用品の売上」「雑誌の売上」…に要素分解
→「食品の売上」を「商品A」「商品B」…に要素分解(他要素も同様に分解)
時系列やステップによる分解
時系列やステップによる分解は、スケジュール・購買フロー・出荷ステップなどで分解するやり方のことです。
【例】
「AIDMA」「バリューチェーン」「プロダクトライフサイクル」 など
対象概念による分解
対象概念による分解は、対照にある概念で分解するやり方のことです。因果関係や、排他的な関係を考える際に有効です。
【例】
「メリット・デメリット」「主観・客観」「量・質」など
因数分解
因数分解とは、ある対象を計算式に置き換え、要素分解するやり方のことです。
「足し算型」「引き算型」「掛け算型」「割り算型」とどの計算式にも当てはめられる切り口です。
【例】
「売上=顧客数×顧客単価×購入頻度」
「コンバージョン率=コンバージョン数/Webサイトへのアクセス数」など
MECEの注意点
MECEは、正しく活用できなければ、漏れや重複の発生を回避することができないので注意が必要です。
次の5つの点に注意するようにしましょう。
- 思い込みで分類しない
- どの切り口で分解するかを明確にしておく
- ダブりよりもモレに注意する
- 目的を忘れない
- MECEは万能ではない
5つ目の「 MECEは万能ではない」に関しては、特に念頭においていただきたい点です。MECEで物事を分解していった結果、分類できない項目が出てきたり、漏れや重複が発生するケースは必ずあるからです。
MECEは、あくまでロジカルシンキングを実行するための概念です。課題解決や目標達成のための解を導き出すためのステップとなるものですので、MECEにこだわりすぎて目的から逸れることのないように気を付けましょう。
まとめ
今回は、マーケターだけでなく、ビジネスパーソンであれば誰でも聞いたことがある「MECE」について解説しました。ロジカルシンキングを難しく感じている人は多いと思いますが、習得するためにはMECEの考え方を理解し、練習を繰り返すことが大切です。
ビジネスパーソンにとって基本となる思考力ですので、今日からMECEを意識的に活用していきましょう。