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フラットデザインとミニマルデザインの違いや、使いどころを理解しよう

Webデザインは、時代を経るにつれトレンドが変化していきます。最近のトレンドは「余計なデザインを行わず、シンプルにユーザーに訴求する」というもので、代表例として「フラットデザイン」と「ミニマルデザイン」があります。

このフラットデザインとミニマルデザイン、ぱっと見ると違いがいまいち分かりにくく、「未だにそれぞれの定義を理解できていない」という方も多いでしょう。Webデザインを行う上では、両者の意味をしっかり理解して使い分ける必要があります。

そこで今回はフラットデザインとミニマルデザインそれぞれの違いをご紹介しながら、企業ではそれぞれのデザインをどう使い分ければよいのかまで解説していきます。「自社Webサイトに最近のトレンドを取り入れたいが、フラットデザインとミニマルデザインどちらを使えばベストなのかはっきり知りたい」という方は必見です。

フラットデザインとは

フラットデザインとは、「余計な装飾を行わず、シンプルにデザインを行う手法」を指します。明るめのタッチで、現実世界にあるものをデフォルメしたり形容化したりしたイラストを強調するのが特徴です。

以前のWeb関係のデザインというのは、総合的に見て「リッチデザイン」や「スキューモーフィズム」のテイストが強い状況でした。リッチデザインとはWebサイト内のボタンなど各要素にグラデーションをつけたり、輝きを出したりして立体感をつけるデザイン手法です。またスキューモーフィズムはスマホのホーム画面などでよく使われ、現実にあるものに限りなくデザインを近づけるというデザイン手法です。

どちらのデザインも、「まだITに慣れていないユーザーをサポートしたい」という観点からよく使われてきました。しかし最近ではWebサービスを使い慣れている方も増え、またスマホも1人1台は大体持っているというのが当たり前の時代になりました。そのような中でリッチデザインやスキューモーフィズムは華美な装飾で野暮ったく移るようになり、小さいスマホ画面では見にくいなど、むしろ邪魔になってくるようになりました。

そこで登場したのがフラットデザインです。華美な装飾を一切排除した、シンプルなタッチであるフラットデザインは、2013年6月「iOS7」に「Apple」が採用するなどで話題になりました。フラットデザインはデザインがシンプルな分、野暮ったさもなくスタイリッシュで現代的です。また小さい画面でも構成要素が少ない分見やすいので、スマホのアプリアイコンにも適しています。

さらにデータ使用量削減など、機能的にもメリットがあります。このような背景からフラットデザインはどんどん広まり、最近のコーポレートサイトなどもフラットデザインで制作されるケースが多くなりました。

ちなみに当初のフラットデザイン(フラットデザイン1.0)には立体感がまったくないという弱点があったので、その弱点をカバーする形で「フラットデザイン2.0」が登場しました。フラットデザイン2.0ではボタンに影をつけるなど最低限のデザイン追加により、フラットデザインのシンプルさを残しながら立体感が出るように工夫されています。

ミニマルデザインとは

ミニマルデザインとは、「Webサイト内の要素まで含めて余計なものをすべて排除し、シンプルにテーマが伝わるようにするデザイン手法」のことです。ここ数年間でトレンド入りしたデザイン手法で、フラットデザインとはアプローチが異なります。

フラットデザインはあくまでカラーや装飾など、狭義のデザインをシンプルにすることをコンセプトにしていました。これに対してミニマルデザインは、Webページ内部のテキストなど、要素まで含めた広義のデザインをシンプルにすることをコンセプトにしています。ですからフラットデザインと比較すると、ミニマルデザインはより多くのものをそぎ落としていきます。

企業側としてはミニマルデザインを上手く使えば、自社の商品やサービスをより強調したWebサイトを制作できます。それによって商品やサービスの空気感やキャッチコピーなどが明確になり、閲覧しているWebユーザーに伝わりやすくなります。

ただしミニマルデザインでWebサイトを制作する際は、Webサイトのテーマをもとにコンテンツ自体を絞ったり、要素間に適度な余白を設けたりと、気をつけるべき点がたくさんあります。間違うとユーザーにとって必要な要素まで削ってしまい、返って見にくいWebサイトになってしまいます。

フラットデザインとミニマルデザイン、それぞれの使いどころ

ここからはフラットデザインとミニマルデザイン、それぞれの使いどころをご紹介していきます。

ニュースメディアやポータルサイトなどはフラットデザインで

フラットデザインというのはミニマルデザインと違い、装飾などを中心としたデザイン手法であることから、さまざまなWebサイトと親和性が高いのが特徴です。ですから用途は選ばないと言ってもよいですが、ニュースメディアやポータルサイトなど、ミニマルデザインが不向きなサイトではフラットデザインが活きてくるでしょう。

ニュースメディアやポータルサイトは、どちらも1ページに伝えたい内容が複数掲載されています。ですから1ページ当りのコンテンツ量も徹底的に絞る必要があるミニマルデザインは、活用しにくいです。

ニュースメディアやポータルサイトなどでフラットデザインを活用すれば、華美な装飾を防ぎ、どの部分がコンテンツかをユーザーが一目で判断できます。

新商品専用の紹介ページやWebサービスページなどはミニマルデザインで

「新商品専用の紹介ページや、Webサービスページを作りたい」といったケースには、ミニマルデザインが向いています。

新商品もWebサービスも、最も伝えたいことがある程度決まっているはずです。ミニマルデザインで余計な要素を排除し、商品やWebサービスに関する画像やテキストが強調されれば、ユーザーは一目でWebサイトからテーマを理解できます。

フラットデザインだけを採用すると、余計なコンテンツが残ってしまう可能性もあります。ミニマルデザインの観点から余計な要素を含めていらないものをすべて削除すれば、シンプルに商品やサービス内容をアピールできます。

シンプル=簡単ではない

フラットデザインやミニマルデザインを行う際、注意してほしいのは「シンプル=簡単ではない」という点です。

どちらのデザインも余計な装飾を行わない分、デザイナーのセンスがもろにWebページに出てしまいます。またWebフォントなどを工夫して、なるべく他の競合サイトと似通わないようにしてオリジナル感を出す必要があります。

シンプルであればあるほどデザインが難しくなるのを理解すれば、よいフラットデザインやミニマルデザインを作り出せるようになるでしょう。

まとめ

今回はフラットデザインと、ミニマルデザインの違いを解説してきました。

フラットデザインもミニマルデザインも、余計な装飾を行わずシンプルにデザインする点は共通ですが、ミニマルデザインではもう1段階深く突っ込んで、コンテンツ内容まで徹底的に削ぎ落とすのがお分かりいただけたと思います。他にも「マイクロインタラクション」など、デザインのトレンドはまだあります。気になる方はこの記事を読んだ後も、デザインのトレンドについて学習してみて下さい。