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AISCEASとは何か?【インターネット時代の購買行動モデル】
消費者行動モデルは、時代とともに様々な変化を遂げています。
AIDMAは、マスメディアが主流だった時代に誕生した有名な消費者行動モデルですが、インターネットの普及とともに消費者の行動は変化しました。
「認知→興味→欲求→記憶→行動」の5段階で構成されるAIDMAから、「検索」「比較」「検討」「共有」という概念が誕生したのがAISCEASです。
今回は、
「AISCEASってAIDMAと何が違うの?」
「AISCEASって一体何?」
「AISCEASの考え方をマーケティング活動に活かす方法が知りたい」
以上の疑問を持つ方のために、AISCEASとは何かを詳しく解説します。
マーケティング戦略の立案に役立つ考え方ですので、ぜひ最後まで読んで理解を深めていただければ幸いです。
AISCEASとは
AISCEAS(アイシーズ)とは、インターネットが普及したことによって誕生した消費者行動モデルで、次の単語の頭文字を取ったものです。
- Attention(注意)
- Interest(興味)
- Search(検索)
- Comparison(比較)
- Examination(検討)
- Action(購買行動)
- Share(情報共有)
商品・サービスに興味を持つと比較サイトやSNSで口コミや評価を調査し、購入後に商品・サービスの情報を共有(シェア)するという行動モデルを表しています。
つまり、インターネット時代の消費者行動のポイントとなるのは
- Search(検索)
- Comparison(比較)
- Examination(検討)
- Share(情報共有)
以上の4つであり、この段階の消費者にどのようにアプローチするかでインターネットにおけるマーケティングの勝敗を決めるともいえるでしょう。
ここでは、各行動プロセスにおける消費者行動ついて、簡単に説明しておきます。
Attention(注意)
消費者は、CMや雑誌、コミュニティなどを通して商品・サービスを認知します。
情報が溢れているインターネット時代では、消費者が能動的にならなくても情報が勝手に入ってくるため、商品・サービスを受動的に認知するケースが多いとされています。
Interest(興味)
消費者は、商品・サービスに関する情報を得ることで、興味を持ちます。
Attention(注意)では、受動的だった消費者ですが、Interest(興味)になると能動的に情報を取得しようとします。
Search(検索)
消費者は、商品・サービスに興味を持ったことで、より詳しい情報を得るためにインターネットで検索します。
GoogleやYahoo!などで検索キーワードを入力し、検索結果に表示されたサイトにアクセスします。
Comparison(比較)
消費者は、検索結果に表示されたサイトにアクセスし、サイト内に書かれてある情報を比較します。
価格コムなどの比較サイトを見て納得いくまで比較し、自分にあった商品・サービスを選択しようと調査します。
Examination(検討)
消費者は、比較した結果を元に商品・サービスを絞り込み、検討材料として口コミを調査します。
実際に使った消費者のナマの声を元に、最も賢い選択はどれかを検討します。
Action(購買行動)
消費者は、Search(検索)・Comparison(比較)・Examination(検討)を何度か繰り返し、商品・サービスを購入します。
Share(情報共有)
インターネット時代では、商品・サービスを利用した後に、インターネット上で感想を共有する消費者が現れます。
口コミサイト、ブログ、SNSなどで口コミを共有する消費者の行動が、別の消費者のExamination(検討)段階における参考情報になります。
そのため、マーケティング活動において、どのようにShare(情報共有)を促すか、またそのような行動を取る消費者をどのように増やすのかという点も、AISCEASにおいては重要なポイントです。
AISCEASを活用する理由
AISCEASを活用することで、インターネット時代を踏まえた消費者行動を把握でき、商品・サービスが売れる仕組みを分析できます。
例えば、カスタマージャーニーを検討する際にAISCEASを活用すれば、ペルソナの感情と行動の変化を捉えやすくなります。
これにより、各行動プロセスにおけるマーケティング施策を立案しやすくなるでしょう。
なお、AISCESは、インターネット上で購入が完結するオンライン店舗だけでなく、リアル店舗においても効果を発揮します。
AISCEASの活用方法
AISCEASの活用方法を簡単に紹介すると、次の2STEPになります。
- 各行動プロセスにおける顧客の状況を分析する
- 各行動プロセスにおける施策を検討する
ここでは、以上のSTEPで考えることをわかりやすく紹介します。
1.各行動プロセスにおける顧客の状況を分析する
1.では、「A(注意)」「I(興味)」「S(検索)」「C(比較)」「E(検討)」「A(購買)」「S(共有)」の各行動プロセスで、顧客の行動や感情がどのように変化するかを分析します。
顧客の状況が明確になれば、課題やニーズが何なのかが見えてくるでしょう。
2.各行動プロセスにおける施策を検討する
1.で明確になった顧客の状況や課題・ニーズに対し、ここでも「A(注意)」「I(興味)」「S(検索)」「C(比較)」「E(検討)」「A(購買)」「S(共有)」の行動プロセスごとにアプローチを検討します。
自社の商品・サービスを利用することでどのようなメリットがあるのか、また、それをどのようにアプローチすれば顧客の意欲を高められるかを考えます。
なお、「S(共有)」においては、アップセルやクロスセルに繋がるポイントになるので、その点も踏まえて施策を検討しましょう。
まとめ
今回は、インターネット時代の消費者行動モデルである「AISCEAS」について、基本的な考え方を紹介しました。
消費者が商品・サービスの情報に触れる機会が多様化する現代では、消費者行動もより複雑になってきています。
効果的なマーケティング活動を行うためにも、「AISCEAS」の考え方はしっかりと押さえておきましょう。