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PPM分析とは?を初心者のためにわかりやすく解説!
「PPM分析ってどうやって使うの?」
「PPM分析の概要はなんとなく分かるけど、花形や金のなる木などの分類方法が分からない」
経営戦略のフレームワークとして活用される「PPM分析」ですが、上記のような疑問を持っている方も多いのではないでしょうか?
この記事では、PPM分析の基礎を正しく理解しておきたいという方のために、以下のことを解説します。
- PPM分析とは何か
- 4つのエリアの考え方
- PPM分析のやり方と注意点
簡単でわかりやすく解説しているので、参考にしていただければ幸いです。
PPM分析とは
PPM分析とは、プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント分析の頭文字をとったもので、コンサルティング企業の大手であるボストン・コンサルティンググループが発案したフレームワークです。
PPM分析は、自社の事業が市場のどのポジションにいるかを把握し、経営資源の最適な配分を決めることを目的として活用します。
これにより、各事業の現状を比較しやすくなり、ヒトモノカネをどの事業に優先して投資するかが検討しやすくなります。
事業の強化、維持、撤退などの方針が立つため、経営戦略立案の際に活用したいフレームワークのひとつとされています。
PPM分析4つのエリア
PPM分析では、「市場成長率」と「市場シェア」の2つを軸にし、次の4つのエリアに分類します。
- 花形
- 金のなる木
- 問題児
- 負け犬
上記4つのエリアで何が判断できるか詳しく説明していきます。
エリア①:花形
花形は、「市場成長率」と「市場シェア」が高いエリアに分類される事業です。
このエリアに該当する事業は、投資を行うことで、多くの売上が見込めます。
継続的に投資し、「金のなる木」に成長させることが目的になります。
エリア②:金のなる木
金のなる木は、「市場シェア」が高く、「市場成長率」が低いエリアに分類される事業です。
このエリアに該当する事業は、市場の成長は見込めませんが、市場のシェアを確保していることで安定した売上を見込めます。
そのため、経営資源は「花形」に投資する方が安全であり、期待もできるといえる事業です。
エリア③:問題児
問題児は、「市場成長率」が高く、「市場シェア」が低いエリアに分類される事業です。
このエリアに該当する事業は、市場が成長しているにも関わらず、自社の優位性が低いために利益創出が難しい状態です。
しかし、「問題児」は、市場シェアが高くなることで、「花形」や「金のなる木」に成長できる事業であるともいえます。
エリア④:負け犬
負け犬は、「市場成長率」と「市場シェア」が低いエリアに分類される事業です。
このエリアに該当する事業は、市場の成長、シェアともに伸びる見込みがなく、撤退を考えた方が良いといえます。
事業の撤退や売却によって余剰となった経営資源は、他事業に投資しましょう。
PPM分析のやり方
PPM分析のやり方は、次の5STEPです。
- PPM分析シートを準備する
- 市場成長率を調べる
- 市場シェアを調べる
- 売上高でバブルの大きさを決める
- 各エリアの事業戦略を立案する
各STEPについて、考え方を簡単に紹介します。
PPM分析シートを準備する
縦軸を「市場の成長率」、横軸を「市場シェア」とした表を用意し、表を十字にわけて以下のように4つのエリアを割り振ります。
- 左上:花形
- 左下:金のなる木
- 右上:問題児
- 右下:負け犬
市場成長率を調べる
市場成長率の調査は、数年分の市場規模に関するデータが無料で公開されている「矢野経済研究所」のデータを利用すると便利です。
ただし、生まれたばかりの市場はデータがないこともあるので注意しましょう。
市場成長率の調査結果から、現状がどうなのかを次の通り判断できます。
- 100%より大きい:市場が成長している=PPM分析表の上側
- 100%:市場は停滞している=PPM分析表の中心
- 100%より小さい:市場が衰退している=PPM分析表の下側
市場シェアを調べる
市場シェアの調査は、
- 自事業
- 自事業を除いた他社のトップ
以上の2つの相対的な市場シェアで考えます。
そのため、計算式は次の通りになります。
相対的な市場シェア=自事業のシェア÷自事業を除いた他社のトップ
相対的市場シェアの計算式から導かれる結果から、現状がどうなのかを次の通り判断できます。
- 1より大きい:自社がシェアのトップである=PPM分析表の右側
- 1:自社と他社が同じシェアで争っている=PPM分析表の中心
- 1より小さい:他社がシェアのトップである=PPM分析表の左側
【例】市場シェアが「自社」「B社」「C社」の3つで争われている場合
◾︎シェア
- 自社:30%
- B社:20%
- C社:10%
◾︎相対的な市場シェア
「自社30%」÷「B社20%」=1.5
=自社がシェアのトップであり、PPM分析表の右側に分類できる
売上高でバブルの大きさを決める
各事業の売上高に応じてバブルの大きさを設定し、PPM分析表を完成させます。
各エリアの事業戦略を立案する
ここまでで設定したPPM分析表を使い、各事業の戦略を立案します。
PPM分析の注意点
PPM分析を活用する際には、以下の5つの注意点があることを覚えておきましょう。
- 財務的な観点が重視されている
- 製品ライフサイクルを考慮した判断ができない
- 事業部間のシナジーを考慮できない
- 経営陣や担当者の主観に左右されることがある
- PPM分析からイノベーションを創出するのは難しい
上記の注意点を覚えておくことで、各事業に対する戦略の判断ミスを回避できる可能性が高まります。
また、「負け犬」に分類されてしまった事業は、所属するメンバーのモチベーションが低下するケースあるため、退職などのリスク発生に繋がることがあります。
まとめ
今回は、PPM分析とは何かを簡単に説明しました。
PPM分析を活用すれば、事業間の売上インパクトを考慮して経営資源を適切に投資するための判断ができます。
そのため、重大な判断ミスにもなりかねないので、正しい考え方ややり方を覚えるように基礎基本をしっかり押さえておくようにしましょう。